The contrast between the growth and future of children and the maturity of adults surrounding them.

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雨季が過ぎて、本格的な夏が近づく。この時期、庭の草木は一年のうちで圧倒的な成長を見せ、東京の狭い庭にも関わらず、まるで手に負えなくなる。そんな季節のちょっとした変化のように、自分の身の回りの環境も絶えず変化している。変化のすべてを追い続けられなくなったり、それを受けいれることの意味も見いだせなくなることもあるが、成熟すればやがて、変化しないことがあたらしい価値だと考えるようにもなる。変化することへの付き合い方も成長によってまた、変化するのだ。その一方で、自分が誰かに与えることのできる変化もある。そのひとつの対象が「こども」たちである。

こどもが視て、聴いて、感じとっていること。そのひとつひとつ、一秒一秒は宝石のように貴重だ。そこには我々大人が決めつけてしまっている常識や、合理性など通用しないし、ましてや日常や非日常の区別さえもない。アートも、旅行も、勉強も、スポーツも、お風呂やトイレまで……こどもの好奇心はシームレスに行き交い、密度濃く育まれていく。そんなこどもの直線的且つ爆発的な感情や意欲は、もう二度と手にすることのできない種類の眩しさを放っている。

大人になってしまった今だからこそ、そんなこどもの成長に積極的に関わりたいと願う。「成長」という名の変化を与えていくことは、もしかしたら、あたらしい可能性や、より良い未来へとつながっていく行為なのかもしれないから。シボネという美意識の備わった大人を象徴するような場所で『こどもシボネ』という企画に携わって今年で2年目になる。今回は「成長」を象徴する「S/M/L」というキーワードに基づきながら、単に成長したこどものサイズ変化にまつわる楽しさはもちろんのこと、もっとも多感な時代に一緒に過ごし、成長を願ってくれたパパやママとの思い出をそっと詰め込めるようなプロダクトが選び抜かれている。そんなモノとの記憶は、成長するにつれ増幅装置のように作用し、未来の質をよりよく変化させるためのきっかけになること願ってやまない。


2017年7月 CIBONEで開催された「KODOMO CIBONE」企画展に寄せた原稿を再掲載しました。
Republished my manuscript for the KODOMO CIBONE exhibition held at CIBONE in July 2017.

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The conviction that useless things can create rich and diverse talents and intellects.